シロアリ対策の〇年保証の意味はあるのだろうか?
筑西市の工務店、四つ葉工房です。今年の残暑も長引きそうですね。
今回はシロアリの保証についてのお話です。
新築、リフォーム問わず、シロアリや防腐対策は絶対に必要です。
でもなんか、家を売っている営業マンたちは会社で言われていることをやっているだけのような気もします。
特に保証に関しては「ウチは〇年保証付けているから安心してください」と言っても、それに対してお施主さんも「○○ホームの人が言っているんだから問題ないかな」と思ってしまい、シロアリよりも間取りや設備に目がいってしまっているのが現状かなと。
今回はそんなお話し。
参考文献は2013年に国土交通省の補助事業の「シロアリ被害実態調査報告書」を参考にしています。
木造住宅を取り扱っているハウスメーカーさんや工務店さんなどは、何かしらのシロアリ対策を講じています。
そしてその中の大半は施工と一緒に保証を付けていて、多いのは「5年保証」
つまり引き渡してから5年間もしくはシロアリによる被害が起きた場合、修繕工事費を負担しますということです。
報告書によるとシロアリ被害の発生は保証付きの防蟻処理を行った家では築10年まではほぼ0%になっています。
保証が切れている家での発生件数は5年以下は0%、10年で約5%
つまり、5年保証はあまり意味がないということです。
そして、再施工に関しても本当に考えさせられてしまいます。
新築時の防蟻施工は骨組みが丸見えの状態で行いますから、よくできます。
でも住み始めてからの家は、断熱材や壁が付いていますので、5年ごとにシロアリ対策のために床や壁を剥がしてリフォームする人はいないでしょうから、施工すると言っても床下の一部見えるところだけ。
さらに床下に薬品を撒いて、その薬品が床下の断熱材に付着した際にどんな悪影響を与えのか。良い影響はないと思いますので、断熱性能は少し落ちてしまうと考えた方が良いと思います。
また床下だけの対策ではヤマトシロアリに対しては有効かもしれませんが、イエシロアリやカンザイシロアリは防げません。カンザイシロアリは飛んできて屋根から侵入することもあるからです。
保証の条件や上限についてもお話しします。
上限は最大で300万円程度が多いようです。最大です。
保証を付けることはただのパフォーマンスに思えてきてしまいます。
まとめ
シロアリ、防蟻対策は必須です。でも、創る人も住む人も、もっと真剣に考えなくてはいけません。
後からしっかりした施工が出来なくなってしまうことなので、新築の段階で5年や10年で効果がなくなってしまうものではなく、しっかりとした施工を選びましょう。
シロアリ対策は100%大丈夫と言えるものはありません。
ですから仮に被害に遭ってしまったとしても、被害を最小に抑えられるように点検経路の確保や点検を行いましょう。