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COLUMN住まいのコラム
2020年先進住宅「ZEH」 これからの住まいの“スタンダード”
次世代住宅として年々関心が高まるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)。
第4次エネルギー基本計画で「2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とする政策目標が設定されています。今回は、ZEHの魅力などについてご紹介します。
ZEHとは
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは住宅の高断熱性能や省エネ設備機器、HEMS、太陽光発電システムなどを組み合わせ、エネルギー消費を上回るエネルギーを自宅で発電し、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとなることを目指した住宅です(図1)。「ZEH化」が推し進められた背景には、2015年に採択されたパリ協定があります。これにより政府は2030年までに温室効果ガスの排出を26%削減するという目標を掲げ、低炭素型の製品やサービス、ライフスタイルなどあらゆる「クールチョイス(賢い選択)」を促す運動を開始しました。代表的なものにはエコカーの購入やLEDをはじめとしたエコ家電の購入、クールビズ、ウォームビズなどがあり、住宅分野に登場したのが、省エネ・省CO2対応の「ZEH」でした。
ZEHの種類
補助金が支給されるZEHは、ZEHとZEH+・ZEH+Rの3つのカテゴリーに分けられます。
▼ZEH
①一定の断熱性を満たすこと
②太陽光を除くエネルギー削減率が20%以下、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロ以下
③性能条件を満たす設備の設置
④HEMSの導入
⑤太陽光発電システムの導入
⑥BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の取得
▼ZEH+
ZEHの条件のほか
①太陽光を除くエネルギー削減率が25%以下
②以下のうち2つ以上を満たす
○外皮性能のさらなる強化
○HEMSにより、住宅設備の制御が可能であること
○電気自動車のための住専設備
▼ZEH+R(レジリエンス)
ZEH+の条件のほか
①蓄電池または太陽熱利用温水システムのいずれか、または両方の導入
②主たる居室に非常用コンセントの設置をすること
以上が補助金申請時のポイントになります。なお、補助金申請には、募集時期にも注意が必要です。
細かな諸条件なども含め、建築会社に相談することをお勧めします。
WMO(世界気象機関)は世界各地での猛暑について「熱波や豪雨の増加は、温室効果ガス濃度の上昇によるもの」と発表。低炭素化は今後も進むと思われます。また、異常気象を原因とする災害が増えている昨今、ZEHにしたことで「2日間の停電でも避難所に行くことなく自宅で過ごせた」実例もあることから、耐震にぜひプラスしたい耐災害性能と言えると思います。
ZEHはイニシャルコスト(初期費用)がかかると思われがちですが、高断熱性や高省エネ性を考えれば日々のコスト削減につながり一概に高いとは言えません。さらに、快適性やヒートショック防止、災害対策、資産価値などを考えると、可能な限りZEHに近い仕様の実現を追求されることを推奨したいと思います。
取材協力
日向寺 訓さん
つくば市シニア・エキスパート講師
講師依頼.com 講師